2018年11月19日

一橋大学:観光経営論の寄附講義「レールがつなぐ、地域と人々のココロ(JR東日本企画 常務取締役 高橋敦司氏)」

こんにちは。旅行ジャーナリストの村田和子です。
11月12日(月)一橋大学で行われた講義を、登壇者でいらっしゃる株式会社ジェイアール東日本企画 常務取締役 高橋敦司様 にご縁を頂き聴講して参りました。
公益社団法人 日本観光振興協会(日観振) では、観光人材の育成を目的に、観光行政、ツーリズム産業界の第一線で活躍している経営幹部などの方々を講師に迎え寄附講義を開講されており、その一つとなります。
(一橋大学のほかにも、日観振では、京都大学、首都大学東京、山形大学などいくつかの大学で寄附講義を実施されています)
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対象は、一橋大学商学部で観光経営論を選択されている、3.4年生の学生の方。
私が大学生の時には企業の経営層のお話を聴ける機会など皆無だったので、産学連携が進んでいるのを実感します。
講師の経営者・幹部の方は、社会人になると、なかなかお目にかかることが叶わない方ばかり。直にお話を聞き、直接質問などができる貴重な機会は学生だからこそであり、素晴らしい取り組みだと感じます。

講義のテーマは「鉄道と地域が融合した経営戦略~レールがつなぐ、地域と人々のココロ」
高橋さんのお話は、企業の直面する問題を身近な例を織り交ぜながら、そして数値的な裏付けをもって解説をされ、大変わかりやすく、私も非常に勉強になりました。学生の方も、日常の学びが社会へどうつながるかをイメージできたのではないかと思います。

人口減少など社会の動き、それに伴う企業の置かれた現状、それをどう分析し未来に向けてどういった施策をうっていくのか?なぜ観光なのか?JR東日本の駅に貼られた「行くぜ!東北」のポスターの意味、国をあげての観光振興、特に訪日に力を入れる理由は? JR各社それぞれ置かれた状況は異なり、おのずと施策も変わること……などなど、気づきが多く、日常を違う観点から見る力が備わったよう。
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また、私が何よりも素晴らしいと思ったのが、将来を担う学生さんへの高橋氏からの熱いメッセージ。論理的なお話の中に、時にご自身の体験や思いを率直に語られ、心揺さぶられる場面がいくつもありました。

観光振興は数値から見えるものもあるけれど、そうでない部分、人と人とのつながりや触れ合い、気持ちをグッと引き寄せる……人間らしい部分がとても重要だと私は思っています。そういった面でもきっと学生さん自身が感じ、深く考えるよい機会になったのでは?
寄附講義の目的は、観光業に興味を持つ人材を増やすこと。直接的に観光業を担う人材が増えることは勿論ですが、観光業は様々な業界とのつながりが深く、自らも旅をします。将来の大きな流れにつながると感じます。
今回の講義を聴かれた学生さんは本当に幸せ。ぜひ今後に役立て、あるいはふっとした瞬間に思い出していただきたいと思います。

私も高校生の息子を持つ身。こういった機会をぜひ多くの学生さんに経験頂きたい。そういった環境が進んでいるのを嬉しく思います。
以下、特に私が講義の中で印象的だったことを備忘録的に、ご紹介しておきます。

講義備忘録~鉄道と地域が融合した経営戦略~レールがつなぐ、地域と人々のココロ
<学生さんへのメッセージ>
・企業や業界を選ぶ視点:今ではなく例えば30年後、自分が社会にどういった貢献ができるのか?を考えることの大切さ
・東日本大震災でのエピソード、観光業の主役は地元であり、地元の方の頑張りに支えられている(銀行や中央至上主義への思い)
・スマフォに追いかけられる社会への懸念(レコメンドにより興味のある情報に囲まれ視野が狭くなる)それでいいのだろうか?
・どんな地域でどんな職業についても、観光とはつながりがあるのを忘れないでほしい
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<観光×経営のお話>
・こたつでみかん⇒みかん狩りにいくと…という例からの、旅は行動消費の連鎖であり皆がもうかる
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・ディスティネーションキャンペーンを通じた観光素材の発掘(例:朝摘みさくらんぼ狩り)
 ⇒地元の人が地域を誇れる自信を持つことの重要性
・シニア向けには人生を豊かにするツアー造成が大切⇒生きがいになる
・人口減少は経済を疲弊させる。人口が一人減ると124万円/年の消費が落ちこむ(特に東北は減りが激しい)
 ⇒そこを埋めるのが訪日観光客。東北へ足を運ぶ訪日観光客で一番多いのが台湾(しかし東北へ直行便はない)
 ⇒JR東日本は東北への訪日観光客の送客強化している
・台湾で冬の越後湯沢を売る⇒越後湯沢も海外からみれば「だいたい東京」⇒「東京雪遊び」のキャッチで大ブレーク
・「TRAIN SUITE 四季島」に関わる二つの話
 ⇒マーケティング観点からの意味(富裕層が楽しめる鉄道旅の登場)
 ⇒車内は東日本エリアにある日本が世界に誇る匠の技が集結。それを伝えることの意味、たくさんの方が乗車したいと思う列車を走られることで地元の自信になる
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・東日本大震災の当日様子から復興までの軌跡
 当時は旅行会社びゅうの社長⇒売るものがない、何とかしたい⇒東北各地の東京アンテナショップ巡りからツアー復興スタート
 
そして……震災後初めて秋田新幹線が通った日のこと 
ぜひ、おかえりこまち115 をご覧ください。

最後に貴重な場にお声がけ頂いた、株式会社ジェイアール東日本企画 常務取締役 高橋敦司様、公益社団法人 日本観光振興協会様、一橋大学 商学部 岡本先生はじめとした諸先生方に心よりお礼申し上げます。

株式会社ジェイアール東日本企画 
公益社団法人 日本観光振興協会
一橋大学 商学部
posted by 村田和子 at 14:50| 東京 ☁| Comment(0) | 旅行商品・旅行サービスを考える | 更新情報をチェックする
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